当社は、本総会の決議事項第1号議案が原案どおり承認可決された場合、監査等委員会設置会社に移行します。つきましては、監査等委員会設置会社に移行後の監査等委員である取締役4名を選任したく、その候補者は下記の表のとおりです。なお、本議案を今回の株主総会に提出することにつきましては、監査役会の同意を得ています。
当社の取締役には、「トヨタフィロソフィー*1」を基盤に、「商品と地域を軸にした経営」を実践し、将来に亘る持続的成長に向けた意思決定への貢献、仲間づくりなどを通じたモビリティカンパニーへの変革、気候変動をはじめとした環境対応や当社およびバリューチェーンに関わる社会課題の解決に貢献できることが必要だと考えています。これら取締役としての役割に加えて、監査等委員として、各々の豊富な経験や高度な専門知識を活かし、公正・中立な立場から経営に対する監査を行うことを期待しています。
各取締役候補は、社外取締役が過半数を占める「役員人事案策定会議」にて、取締役会に上程する案を検討しました。また、社外取締役候補者の3名は、当社独自の社外役員の役割・期待に資する人材であり、当社が定める「独立性判断基準*2」を満たしており、独立した立場から、幅広く豊富な経験と知見を当社の経営に活かしていただくことを期待しています。
取締役の体制*3は、取締役および監査等委員である取締役を合わせて、総合的に検討しています。各人の有する知識・経験・能力等をスキルマトリクスにて一覧化し、重要な業務執行の決定と経営の監督を適切に行うために、能力のバランスとダイバーシティに配慮した人材で取締役を構成しています。
*1 招集通知3ページ「トヨタフィロソフィー」の解説を参照ください。
*2 招集通知31、32ページの「(ご参考)社外役員の役割・期待、独立性判断基準」を参照ください。
*3 招集通知33、34ページの「(ご参考)コーポレートガバナンスハイライト、スキルマトリクス」を参照ください。
監査等委員である取締役候補者一覧(2025年6月12日定時株主総会後の予定)
*4 取締役・監査役としての在任期間も通算しています。
*5 2025年3月期の取締役会および監査役会への出席状況を記載しています。
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トヨタ モーター ノース アメリカ㈱
Senior Advisor
(2025年6月退任予定)
Southwest Airlines Co.
社外取締役
<候補者とした理由および期待される役割>
Christopher P. Reynolds氏は、弁護士としての専門性、当社のリスク対応をグローバルにリードしてきた豊富な経験、経営の監督経験の3つを兼ね備え、当社のガバナンス向上の取り組みをグローバルに浸透していくための知見を有しております。
弁護士としての専門性については、1986年に法学位を取得後、米国の刑事訴訟における主任弁護士や、労働法・雇用法におけるマネージャーとして経験を蓄積しました。さらに、米国および世界各国の企業の内部調査や法的問題への対応を担うなど、法務・コンプライアンスへの高い専門性を持ちます。
米国トヨタ自動車販売株式会社に入社した後は、2010年の大規模リコール問題に対するグローバル対応チームのリーダーを務めるなど、現在に至るまで当社の各種リスクに対応し、世界の各地域を越えてトヨタを守る豊富な経験を持ちます。2020年には当社のDeputy Chief Risk Officer、2022年にはDeputy Chief Compliance Officerとなり、グローバルでのリスクマネジメント・コンプライアンス体制の整備に向け、行動規範の制定や、リスク管理機能の確立をリードしました。
これらの専門性に加えて、トヨタ モーター ノース アメリカ㈱では、副社長として、北米における経営戦略の策定および事業開発、人事、研究開発、生産、サステナビリティ、法務、情報技術、コネクティッドテクノロジー等、幅広い領域を担当しました。また、社外取締役を務めているSouthwest Airlines Co.では、指名・ガバナンス委員長を務めるなど、経営の監督経験も有しています。
以上のことから、ガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンスへの専門性と経験を活かして、当社のガバナンス向上への取り組みをグローバルに浸透していくなど、当社の企業価値向上に寄与できると判断し、監査等委員である取締役候補者としました。
<子会社の退任>
Christopher P. Reynolds氏は、現在業務執行に関わっているトヨタ モーター ノース アメリカ㈱を、2025年6月に退任します。本議案をご承認いただいた場合、監査等委員である取締役として、当社の経営の監督と監査に専念します。
3年
100%(16/16回)
100%(16/16回)
3,466株
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<候補者とした理由および期待される役割>
George Olcott氏は、投資銀行業務をはじめとする国際的な金融市場での豊富な経験と、グローバル経営における人材育成およびコーポレートガバナンスに関する学術的知見に基づいた、企業経営に関する卓越した見識を有しています。
また、こうした経験・見識に基づいた日本企業の価値向上をテーマとした学術研究において、高い実績があります。加えて、株式会社デンソーにおける取締役の経験を通じて、トヨタグループの取り組みを理解しています。
これらの知見を活かして、2022年より社外監査役として、会社から独立した立場で、当社や国内子会社・海外事業体の現場へ積極的に訪問し、当社が大事にする価値観のひとつである現地現物に根差した適切な監査を遂行しています。加えて、世界の地域ごとにバランスの取れた事業の重要性への指摘や、グローバルな投資案件の進め方について当社の執行メンバーへさらなる成長を助言するなど、監査にとどまらず、企業価値向上に向けた発言を積極的に行い、適切な経営の意思決定に貢献しております。
以上のことから、企業経営に関する見識、トヨタグループへの理解を活かして、会社から独立した立場で、引き続き業務執行の監督と執行メンバーへの率直な指摘、助言をいただくとともに、監査等委員として適切な監査を担えると判断し、監査等委員である社外取締役候補者としました。
<独立性の確認>
当社はGeorge Olcott氏と2020年6月から2022年3月までの間、当社が賛同している次代のリーダー育成を目的に設立された中高一貫校(海陽学園)の理事として、学校運営の国際化に向け、当社の立場で提言およびサポートをいただくためアドバイザー契約を締結していました。年間報酬額は1,200万円、上記期間での報酬総額は2,200万円です。同氏との本契約は2022年3月に終了し、以降は、社外役員としての報酬を除き、同氏との取引関係は無く、重要性がないことから、一般株主と利益相反が生じるおそれがないと判断しています。
2年
100%(16/16回)
1,870株
アレス・マネジメント・アジア・ジャパン㈱
代表取締役会長
㈱TBSホールディングス
社外監査役
<候補者とした理由および期待される役割>
大島眞彦氏は、グローバル金融グループの経営者として培われた金融市場への知見や、サステナビリティ・IRをリードした経験を持ちます。加えて、欧米で金融規制が強化される中、現地法人におけるガバナンス体制の再構築を外国人スタッフとともに推進するなど、グローバル視点でのマネジメントの実績も豊富です。
これらの知見を活かして、現在、社外取締役として、会社から独立した立場で、業務執行を監督しています。適切なバランスシート構築、モビリティーカンパニーへの変革に向けた投資の必要性など、資産の有効活用と適切なリスクテイクによる競争力強化に向けた積極的な発言を行うとともに、投資家との丁寧な対話の重要性を指摘しています。
また、役員人事案策定会議および報酬案策定会議の委員として、報酬制度における中長期の企業価値向上への取り組みの反映や、人事制度見直しにおける丁寧なコミュニケーションの必要性を指摘するとともに、活発な意見交換を促し、適切な審議案づくりに貢献しています。
以上のことから、経営、IR、ガバナンスなどの幅広いグローバルな経験と見識を活かして、会社から独立した立場で、業務執行の監督と助言をいただくとともに、監査等委員として適切な監査を担っていただけると判断し、監査等委員である社外取締役候補者としました。
<独立性の確認>
大島眞彦氏は、当社と取引関係にある㈱三井住友銀行を、2024年7月に退任しております。
また、当社と㈱三井住友銀行との取引関係は、過去3年間の事業年度における借入金額が連結総資産の2%未満(尚、2025年3月末時点は0.9%未満)です。加えて2025年3月期において、当社が保有する㈱三井住友銀行の持株会社の株式は全株売却済みです。同行は当社の持株比率上位10社ではなく、また、同期間において当社株式の1/4を売却するなど、保有する当社株式の縮減を進めております。以上のことから、重要性がなく、一般株主と利益相反が生じるおそれはないと判断しています。
1年
100%(13/13回)
100%(13/13回)
146株
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<候補者とした理由および期待される役割>
長田弘己氏は、事件、司法、経済、国際情勢、政治、暮らしなど幅広い分野での取材記者経験験を通じ、幅広い知見とネットワークを有しています。
前職の新聞社では、人口減少といった社会問題や、その時代の社会を映し出す企業研究など、問題意識や発想力が問われる長期連載を複数手掛けるとともに、自動車業界を含めた製造業各社の課題を提言してきました。また、国内外の政財界トップをはじめとする膨大なインタビューを通じ、客観的に分析や批判をするとともに、フェアに人や情報に対峙してきました。
これらの経験を活かして、現在、社外監査役として、会社から独立した立場で、社内外のステークホルダーの声を現地現物で捉え、適切な監査と積極的な発言を行っております。「マルチパスウェイ戦略」におけるJoby Aviationとの協業検討においては、国産ジェット旅客機開発の現場取材や分析経験に基づき、挑戦を後押しする適確な助言を行いました。常に組織への問題提起の視点を持ち、監査等委員会設置会社の移行において当社の取り組みを適切に理解いただける進め方をアドバイスするなど、多様なステークホルダーに向けたメッセージ発信の指南役も担っています。
以上のことから、会社から独立した立場で、業務執行の監督と助言をいただくとともに、適確な情報収集・分析・発信を実行・助言できるスキルを活かして、監査等委員会が担う組織的監査に多大な貢献ができると判断し、監査等委員である社外取締役候補者としました。
<独立性の確認>
当社は長田弘己氏が業務執行者であった㈱中日新聞社と取引関係にありますが、過去3年間の事業年度における取引金額は両社の連結売上高の0.2%未満で、重要性がないことから、一般株主と利益相反が生じるおそれはないと判断しています。
(注1)本株主総会参考書類は、作成時点(2025年5月8日)の情報を記載していますが、在任期間については今回の株主総会終結時点の情報を、所有する当社株式の数については2025年3月31日時点の情報を記載しています。
(注2)役員等賠償責任保険契約の概要
当社は、保険会社との間で、当社が保険料の全額を負担する役員等賠償責任保険契約を締結しています。当社のすべての取締役、執行役員、Executive FellowおよびSenior Fellowを被保険者とし、当該役職の立場で行った行為による損害賠償金および争訟費用等を填補します。当該役員等賠償責任保険契約においては、役員等の職務執行の適正性担保のため、敗訴時に填補する損害の範囲を限定する旨および一定の事由に該当する場合は保険金を支払わない旨を定めています。2025年7月に現行契約が満了しますが、同様の内容で更新予定です。