取締役・監査役による経営監督・監査機能が十分に発揮されるよう、取締役室及び監査役室を設置し、職務遂行に必要な情報及び支援を適切かつタイムリーに提供しています。社外役員に対しては、取締役会での審議の充実を図り、モニタリング機能を更に高めるため、取締役会資料の事前配付・説明や、経営戦略・重要案件等に関する説明会の開催など、関連情報の提供を行うほか、就任時オリエンテーション、毎年の事業投資先視察や経営幹部との対話など、三菱商事の事業や戦略に対する理解を深める機会を継続的に提供しています。また、取締役会の実効性向上のため、社外役員が過半数を占めるガバナンス・指名・報酬委員会、社長業績評価委員会を開催するほか、社外役員のみで構成される独立社外役員会議を四半期に1回程度開催し、三菱商事の経営やコーポレート・ガバナンスなど幅広いテーマについて議論する機会を設けるなど、社外役員同士の連携の深化も図っています。さらに、経営監督機能の実効性を一層高めるため、取締役・監査役が自由にディスカッションする場として、取締役会懇話会を随時開催しています。
毎回の取締役会に先立ち、取締役会資料の事前配付を行うほか、経営戦略、部門・グループの業務執行報告、投融資案件、コーポレート案件等について、部門・グループの経営幹部層による戦略上の位置づけ・重要ポイントに関する事前説明会を各回平均約3時間かけて丁寧に実施しています。また、取締役会で審議する投融資案件については、執行側での議論の過程を共有する目的で、社長室会(執行側の経営意思決定機関)での審議概要・ポイントを事前に共有しています。さらに、三菱商事の経営幹部との対話を通じて、執行側の生の声を聴く機会を設けています。
平成30年度は機関投資家をお招きし、昨今の機関投資家の関心事項・動向をテーマとした対話等を実施しました。また、『中期経営戦略2021』策定に先立ち、社長より、策定の方針・考え方を事前に説明し、社外役員との意見交換を行いました。
三菱商事及び三菱商事グループの幅広い事業内容についての理解を深めるため、毎年、社外役員による国内外の三菱商事グループ企業等の現場視察やグループ企業の経営者との対話などを実施しています。
平成30年度は、4月に三菱商事のミャンマーにおける大規模複合再開発事業、マンダレー国際空港の運営事業等の視察及びパートナー企業の訪問・対話を実施しました。また、8月には三菱商事の完全子会社であるセルマック※のノルウェーにおけるサーモン養殖事業を視察し、同社経営陣と活発な意見交換を実施するとともに、北海沖の洋上風力発電施設の視察を実施しました。
※Cermaq Group AS(セルマック)は、ノルウェー、チリ、カナダの3か国で、年間19万トンのサーモンを養殖する世界第3位のサーモン養殖・加工・販売会社。平成26年10月に三菱商事が完全子会社化し、持続可能で安全・安心な養殖サーモンを世界中に供給しています。