当社は、創業以来の企業理念である『三綱領』のもと、「脱炭素社会への貢献」を対処・挑戦すべき経営上の重要課題と位置付け、2021年10月に公表した「カーボンニュートラル社会へのロードマップ」(以下「ロードマップ」)で温室効果ガス(以下「GHG」)排出量の中長期の削減目標(2030年度半減(2020年度比)・2050年ネットゼロ)を開示するとともに、その達成に向け、着実に事業を推進しています。今般公表した『中期経営戦略2024』においても、エネルギー需要の充足という使命を果たしながら、SDGsやパリ協定で示された国際的な目標達成に向けた諸施策を打ち出しています。
また、定款は会社の組織・運営の基本的事項を定める根本規範であり、GHG排出量削減目標の策定・開示等、個別具体的な業務執行に係る事項を定めることは、経営環境の変化に応じた機動的かつ迅速な業務執行や方針の策定・変更の重大な支障となり、当社の企業価値の毀損につながる虞があるため、適切ではありません。
さらには、以下に記載のとおり、当社はGHG排出量の削減に向けた取組を既に推進してきていることから、本株主提案が求める内容を定款に規定する必要はありません。
- GHG 排出量(Scope1/2)削減目標について
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- 当社はロードマップにて、パリ協定に整合するGHG排出量の中長期の削減目標(2030年度半減(2020年度比)・2050年ネットゼロ)を策定・開示しています。
- 当社の2030年度目標は、各種削減努力を踏まえ算出した根拠がある数値です。当社としては、かかる2030年度目標を確実に達成するためには、短期目標の設定ではなく、より適切なGHG排出量の管理プロセスを整え削減進捗を把握し、これを開示することが重要と考えています。この考えの下、『中期経営戦略2024』において、投資計画策定に当たり短中期のGHG削減計画を確認する、具体的かつ実効的なプロセスを新たに確立し、公表しました。また、各年度のGHG排出量は従来どおり今後も適切に開示し、ステークホルダーの皆様に対して2030年度目標に向けての削減進捗を示していきます。
- GHG排出量(Scope3)削減目標について
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- 当社の削減目標には、Scope3のカテゴリー15(投資)に相当する関連会社のScope1/2排出量の当社出資比率持分相当分を含むため、Scope3の一部の削減目標は策定・開示済です。
- 当社は、当社におけるScope3排出量の大半を占めるカテゴリー11(販売した製品の使用)について、適切に開示することの重要性を認識しています。開示に向けては、当社事業の実態を正確に表した排出量を算出するべきと考えていますが、三菱商事グループは広範な分野で多角的に事業を展開し多種多様な商品を取り扱っている一方で、Scope3排出量の算出にかかる統一的な国際ルールが整備途上であるため、排出量の算出方法については慎重な検討が必要です。したがって、今後の国際的な議論の状況を踏まえ、開示に向け、鋭意検討を継続していきます。
- さらに『中期経営戦略2024』では、Scope3を管理する仕組みとして、Scope3カテゴリー11の排出量等の観点で「トランスフォーム」事業(天然ガス事業等)を抽出し、サステナビリティアドバイザリーコミッティーにおいて社外有識者からの助言を得ながら、2050年ネットゼロに整合する1.5℃シナリオに基づく当該事業方針への影響を、毎年経営レベルでモニタリングする体制を整えることも公表しています。
したがって、当社は本株主提案に反対いたします。