第80期定時株主総会招集ご通知 証券コード : 6743
<株主提案(第3号議案から第11号議案まで)>
第3号議案から第11号議案は、株主様1名(以下、「提案株主様」といいます。)からのご提案によるものであります。
なお、提案株主様から通知された提案の内容及び理由については、各議案毎に整理し、そのまま記載しております。
■議案の要領
現行の定款に以下の条文を追加する。
(取締役会の独立性)
当会社は、取締役に占める東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)出身者の割合を20%以下に維持しなければならない。
ただし、止むを得ない事情により当該割合が20%を上回った場合、当会社は可能な限り速やかに当該割合が20%以下となるように対処しなければならない。
◆提案理由
大同信号株式会社(以下「当会社」という。)の株価は、長期間低迷を続けている。
実際、2026年4月6日時点のPBR(株価純資産倍率)は約0.46倍と、解散価値の1倍を大きく下回っている。
当会社の株価が極めて低い評価しか受けられないのは、経営陣が株主資本コストについて十分に理解せず、かつその公表値が異常な低水準であることが最大の原因の1つであると、提案株主(以下「当方」という。)は、考えている。
実際、昨年公表の「PLAN2026補足」にて、当会社は、株主資本コストのCAPMによる推計値を4.6%と公表した。
しかし、この水準は、「伊藤レポート」(2014、経産省)で示されたグローバルな機関投資家が期待する平均的なリターンとしての株主資本コスト7%超を大幅に下回っている。
当会社が、極端に低い推計値を公表したのは、資本コストを低く見積もれば、ROEが低くてもエクイティ・スプレッドがプラスであり、価値を創造しているとの理屈付けができるため、経営陣にとって都合がよいと考えたからではないか、と当方は疑っている(*1)。
もし、このような考え方を経営陣が行っているとすれば、自らROEを高めたり、資本コストを低減させるインセンティブが働きづらくなるため、株価は必然的に低いPBRで低迷しがちとなる。
このような状況に陥ると、株主はその高いリスクテイクに見合った高いリターンを享受することが不可能となってしまう。
そのため、経営陣が当会社の株主資本コストについて熟慮のうえ再考すべきことは言うまでもないが、現に株主資本コストを高めてしまう重大な事象が存在しており、それが、当会社の取締役会の構成であると、当方は考えている。
つまり、取締役7名のうち東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR東日本」という。)で勤務経験のある者(以下、「JR東日本出身者」という。)が3名に上り、全体の40%超となっている点である。
JR東日本は、当会社の製品販売先のシェアとして、直近で35%〜39%程度を誇る最大顧客である。
そして、JR東日本と当会社は、当会社の製品をできるだけ安く仕入れたいJR東日本と、できるだけ高く販売したい当会社との間で常に利益が相反する関係である。
そのうえで、当会社の取締役会には、経営陣が当会社の利益を最大化すべくJR東日本との取引において適切な販売価格や条件を実現できているかを厳しく監督することが求められていると言える。
しかしながら、代表取締役社長を含む3名の取締役がJR東日本出身者である現状で、上記の責務を取締役会が適切に果たすことができるのか、疑わしいと、当方は思っている。
さらに、3名のJR東日本出身者である浦壁氏、佐藤氏(旧国鉄時代を含む)、越前氏はいずれもJR東日本での勤務が30年以上の長期間に及ぶ。
実際には、JR東日本と当会社との間で重大な利益相反の事態が発生していないとしても、当方のような一般株主や株式市場に参加する投資家から、そのような疑念の目で見られてしまえば、当会社は利益減少など経営リスクの高い会社として敬遠され、その結果、当会社の株主資本コストは現実に上昇してしまうのである。
このように、株主資本コストの低減には、一般株主や外部の投資家に利益相反の疑念を持たれない程度まで、取締役会に占めるJR東日本出身者の比率を下げることが必要である。
そして、JR東日本は、関連会社である日本電設工業株式会社(以下、「日本電設工業」という。当会社株式の保有比率:14.93%)と日本リーテック株式会社(以下、「日本リーテック」という。当会社株式の保有比率:4.09%)を通じて、当会社株式の約19%を保有しているが、株主としての影響力を取締役会に反映させるならば、JR東日本出身者が取締役会に占める比率もこれを大きく上回らない20%程度まで低下させる必要があると考える。
以上の理由により、当該議案を提案するものである。
(*1)CAPMによる株主資本コストの推計では、リスクフリーレートとして10年国債の利回りを2%未満の低い水準に設定したり、β値が低くなるようなデータの採取期間を恣意的に設定することが可能。
●取締役会の意見
当社は、出身やバックグラウンドを問わず、知識・経験・能力のバランスを踏まえ、それぞれの人格及び見識等を十分考慮のうえ、株主からの経営の委任に応え、その職務と責任を全うできる適任者であることを基準として、総合的に判断した者を取締役候補者として指名しております。
また、社外取締役の選任や定期的な取締役会実効性評価等を通して、取締役会の独立性及び実効性の確保に努めており、取締役会は適切に監督機能を果たしていると考えられることから、現状の取締役会構成は適切であると考えております。
なお、本議案において提案株主様が定款により対応を義務付けるべきと主張されている内容は、当社が経営戦略や経営環境等を踏まえ、都度、検討・判断すべき事項であり、会社の根本規範である定款に定める事項としては適切ではないと考えております。
以上の理由により、当社取締役会は、本議案に反対いたします。