第79期定時株主総会招集ご通知 証券コード : 6743

第4号議案
株主資本コストの開示に係る定款変更の件

<株主提案(第4号議案から第13号議案まで)>
 第4号議案から第13号議案は、株主様1名(以下、「提案株主様」といいます。)からのご提案によるものであります。
 なお、提案株主様から通知された提案の内容及び理由については、各議案毎に整理し、そのまま記載しております。

■議案の要領
 現行の定款に以下の条文を追加する。
 (株主資本コストの開示)
  当会社は、取締役会が把握する当会社の株主資本コストを、「資本コストと株価を意識した経営」と題する資料に記載し、東京証券取引所の適時開示情報閲覧サービスTDnetで、第79期定時株主総会終了後遅滞なく開示し、2026年3月期以降については、事業年度末日から6週間以内に、同様の方法で開示する。

◆提案理由
 大同信号株式会社(以下「当会社」という。)の株価は、長期間にわたり低迷を続けている。
 実際、2025年4月10日時点のPBR(株価純資産倍率)は約0.32倍と、解散価値を大きく下回っているだけでなく、その3分の1程度でしか株式市場から評価されていない。
 また、株価パフォーマンスについても、日経平均株価およびTOPIXと比較して、当会社は際立って低いことが分かる。
 実際、アベノミクスが開始した頃の2013年4月10日から2025年4月10日の12年間に、日経平均株価は約160%上昇し約2.6倍になり、TOPIXも約126.5%上昇し約2.3倍になった一方、当会社の株価は、わずか48.4%の上昇で1.48倍にしか値上がりしていない。
 これは、当会社の当該12年間の株価上昇率が、株価指数としての上場企業の平均的な株価上昇率の3分の1程度に留まっていることを意味する。

(参考)株価上昇率(配当除く株価上昇率:TSR)の比較(2013/4/10⇒2025/4/10)
     日経平均:13,288.13円⇒34,609円、TSR:約+160.5%、約2.6倍に上昇
     TOPIX:1,121.04⇒2,539.4、TSR:約+126.5%、約2.3倍に上昇
     大同信号:320円⇒475円、TSR:+48.4%、約1.48倍に上昇

 このように、当会社の株価が長期間低迷を続けている最大の要因は、経営陣が「資本コストと株価を意識した経営」をほとんど行ってこなかったからであると、提案株主(以下「当方」という。)は考えている。
 これは、配当性向を低く抑えて内部留保の蓄積を最優先し、ROEの低迷によるPBRの低迷を招いたものの、純資産の調達コストとしての株主資本コストを意識した経営をほとんど行わず、株主を軽視してきたと言い換えることができる。
 また、経営陣が、当会社の株主資本コストの水準を的確に把握できていないことが、まず、大きな問題である。
 当方は、2024年9月に当会社の執行役員と面談にて対話をおこなったが、当該執行役員は、当会社の株主資本コストを3.9%と想定していると回答した。
 2014年に、経済産業省から公表された伊藤レポートにおいては、グローバルな機関投資家が要求するリターンの平均値が7%超というアンケート結果に基づき、上場企業の経営陣はROE8%以上にコミットすべきだという提言がなされたことからも分かるように、上場企業に期待される純資産に対する利益率は、少なくとも6~7%以上の水準であると考えるのが常識であると理解している。
 当方も、当会社の株主資本コストは、現状では、最低でも8%以上であるものと推定しており、3.9%などという水準は、株主•投資家の一般通念から大きく乖離した、経営陣に都合の良い、低すぎる水準であるものと判断せざるを得ない。
 そして、高いリスクを引き受けている株主に対して、それに見合った高いリターンを返すためには、株式市場から評価される資本政策を採用することが、極めて重要となる。
 その前提として、まずは、当会社の経営陣が自社の株主資本コストの水準について、的確に把握することが必要であり、これを実現させるための手段として、本議案の提案に至ったものである。

●取締役会の意見
 当社は、株式会社東京証券取引所(以下、「東京証券取引所」といいます。)が2023年3月31日にプライム市場・スタンダード市場の全上場会社に対して要請した「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」(以下、「本要請」といいます。)及び2024年2月1日に公表した「投資者の視点を踏まえた『資本コストや株価を意識した経営』のポイントと事例」を踏まえ、株主資本コストを的確に把握し、これを踏まえた経営を行うことが重要であると考えております。
 この考え方は、当社が2024年5月に公表した、2024年度から2026年度を対象とする中期経営計画「PLAN2026」(以下、「本中期経営計画」といいます。)にも反映されており、本中期経営計画では、当社の株主資本コスト(2025年3月末時点で、CAPMで計算した4.6%程度)を踏まえ、(ⅰ)当社のROEが株主資本コストを下回っている主な要因が、収益率の低下と財務レバレッジの低下にあること、及び(ⅱ)株主の皆様に対する積極的な還元が当社の株価向上のための課題であること等を認識し、これらの課題を克服するための施策を講じることとしております。
 より具体的には、①利益率改善(後続製品への移行促進、製品付加価値の増大、DXや生産支援システムへの投資による業務効率向上、及び拠点の再編やグループ内の業務分担見直しによる固定費削減)、ならびに②市場評価の向上(業績に連動した株主還元の実施及び政策保有株式の縮減)を行うことを掲げて、資本コストや株価を意識した経営の取り組みを鋭意推進しており、提案株主様による、当社の経営陣が「資本コストと株価を意識した経営」を行ってこなかったとのご批判は当たらないものと考えます。
 当社は、今後も、本中期経営計画に基づく各施策を着実に実行しながら、当社の資本コストの内容や市場評価に関しての現状分析・評価を継続し、株主の皆様をはじめとしたステークホルダーの皆様に対する適時適切な情報開示に努めるとともに、企業価値向上及び資本コストを上回る資本収益性の確保に努めつつ、取り組み内容の必要かつ十分な開示を継続的に実施し、資本コストや株価を意識した経営の取り組みを鋭意推進してまいります。
 また、本議案において提案株主様が定款で開示を義務付けるべきと主張する内容は、当社の経営戦略や経営環境を踏まえて当社が都度対応・検討すべき事項であり、当社を運営するうえでの根本規範である定款に定める事項としては適切ではないと考えております。

 以上の理由により、当社取締役会は、本議案に反対いたします。

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2025/06/27 11:00:00 +0900
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