経営施策の取り組み状況

 当社グループは、前中期経営計画(2016年度~2018年度)において「ローカルプレゼンスの向上」によりグローバルブランドを確立し、Global 2nd Stageを達成しました。現在は「信頼されるブランドの浸透」により2025年のGlobal 3rd Stageの達成を目標としています。
 今中期経営計画(2019年度~2021年度)はGlobal 3rd Stageの達成をめざす上での重要な3カ年であり、今後の成長力の源泉となる強みを明確化して徹底的に磨き、実行していく期間となります。そのために、「変わらぬ信念、変える勇気によるグローバルで質の伴った成長」を推進していき、2021年度の経営目標である「連結売上高2.5兆円」、「顧客基盤(注2)80社以上」、「連結営業利益率8%(注3)」「海外EBITA率7%(注3)」の達成をめざしています。

 「変わらぬ信念」では、当社の企業理念「情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する」と「Long-Term Relationships(長期的信頼関係)」を根底に、事業と企業活動を通じてSDGsの達成に貢献するとともに、企業価値を持続的に向上させています。
 具体的には、全世界デジタル3D地図「AW3D」の提供により、災害対策やインフラ整備の高度化等に貢献しました。こうした当社グループのESG経営への取り組みは、国内外のESG調査機関からも一定の評価を継続して獲得しています。

 「変える勇気」では、デジタルへの取り組みの更なる加速とグローバルシナジーの最大化を実現してお客様への提供価値最大化を図っています。そのために以下の3つの戦略に基づく取り組みを推進するとともに、NTTグループ連携の強化を図っています。

戦略1:グローバルデジタルオファリング(注4)の拡充では、デジタル領域でグローバルシナジーを最大化し、戦うための武器づくりと戦い方のレベルアップを図っています。具体的には、グローバルマーケティングの加速、積極投資によるオファリング創出、技術集約拠点(CoE(注5))の拡充に取り組んでいます。
 グローバルマーケティングの加速では、グローバルワンチームによる各国横断での戦略策定、グローバルに事業を行っているお客様(グローバルアカウント)への提案やサポートの加速、デジタルサクセスストーリーの共有と活用の推進、グローバルマーケティングの高度化を実施しています。2019年度では、これらの活動により、グローバルアカウントから複数の受注を獲得することができました。
 積極投資によるオファリング創出では、全社のデジタルビジネスを加速させるための組織であるDigital Strategy Office(DSO)を創設し、グローバルレベルで重点領域のオファリング創りを推進しています。2019年度は、DSOの取り組みにより開発したレジ無しデジタル店舗「Catch&Go」を発表し、大手コンビニなどの流通・小売業において非常に多くのお客様からお声掛けいただいています。
 技術集約拠点(CoE)の拡充では、Blockchain、Digital Design、DevOps(注6)、AI等のデジタルの技術・知見の共有や展開をグローバルで推進しています。2019年度には、Blockchain やDigital Design、DevOpsを活用したサービスの受注・開発に大きく貢献しました。2019年度から立ち上げたAI CoEにおいても、お客様との実証実験に結び付くなど、成果が出始めています。

戦略2:リージョン特性に合わせたお客様への価値提供の深化では、リージョンごとにお客様特性に合わせた魅力的な価値を提供し続けています。
 当社グループは、日本においては、お客様との長期的な深い信頼関係に基づく既存システム領域を強みとしており、北米・欧州では、ITO等のアウトソーシングビジネスを強みとしています。これらの強みにデジタル技術を掛け合わせることで新たな価値を創出しており、そうした取り組みが、国内では官公庁や金融機関、法人のお客様における基幹システムなど複数の大型案件受注に、北米・欧州では、既存のお客様へのサービス高度化・効率化のみならず、新規のお客様からの大型案件の受注増加に繋がりました。

戦略3:グローバル全社員の力を高めた組織力の最大化では、戦略1、2を実現するため社員一人一人の自己実現と組織力の強化を図っています。
  当社グループは「デジタル活用人財100%化」をめざしており、2019年度にはデジタル活用人財強化のための研修プログラム整備や、初のADP(注7)社員の認定、TG制度(注8)の導入等、複数の人事制度変更を実施しました。また、デジタルを活用した働き方の変革にも力を入れており、コンテンツやノウハウを社内で共有するためのデジタルナレッジシェアの仕組みを導入しました。

 NTTグループ連携の強化では、技術活用やクロスセルなどOne NTTシナジーの発揮を狙いとしています。当社グループは、継続してNTT研究所製のRPAソリューション「WinActor」(注9)の普及展開に全社横断で取り組んでおり、2019年度にはお客様導入数が2,800社を超えました。

 今後もこれらの取り組みを加速し、中期経営計画の最終年度である2021年度の経営目標と、2025年のGlobal 3rd Stageの達成をめざします。

(注2)年間売上高50億円以上(日本)、もしくは50百万米ドル以上(日本以外)のお客様のことです。

(注3)M&A・構造改革等の一時的なコストを除きます。

(注4)デジタルオファリング
最先端技術を活用してお客様へ提供する商品・サービス等のことです。

(注5)CoE(Center of Excellence)
高度な研究・開発活動を行い、人財及び事業の創出・育成の中核となる拠点のことです。

(注6)DevOps
開発チームと運用チームが連携してシステムに対するお客様要求に高品質・柔軟・短期間に対応するために、ツールや開発手法等で構成される仕組みのことです。

(注7)ADP(Advanced Professional)
AI、IoT、クラウドなど先進技術領域やコンサルティングの領域において卓越した専門性を有した人財を外部から市場価値に応じた報酬で採用する制度です。

(注8)TG(Technical Grade)制度
専門的スキルをもつ人財の潜在能力を最大限に活かして評価する制度です。

(注9)WinActor
NTTアクセスサービスシステム研究所の技術を核に、NTTアドバンステクノロジ㈱が開発し、当社が販売元として提供しているRPAソリューションです。


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2020/06/17 12:00:00 +0900
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