技術開発の状況

 当社グループは、グローバルでの厳しい競争に勝ち残っていくため、新しい技術トレンドを積極的にビジネスに取り入れる「最先端技術・イノベーション推進」に取り組むとともに、システム開発の高速化、高品質化やクラウド化・デジタル化を見据えたクラウド基盤の構築等、「生産技術革新」に関する研究開発に取り組んでいます。中期経営計画においては、最先端技術に関する知見やノウハウをグローバルで集約し、活用する基盤の構築によりイノベーションを推進していくとともに、次世代の生産技術を磨いています。
 更に、日本電信電話株式会社との研究開発連携により、基盤的研究開発テーマについてはその成果を活用し、当社のリソースを応用的研究開発テーマに重点配分しています。
 当連結会計年度の研究開発費は21,793百万円です。研究開発の成果は、公共・社会基盤、金融、法人・ソリューション、北米及びEMEA・中南米に共通して適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。

<AI技術のグローバル集約拠点を設立するとともに、AI指針を策定>

当社は、中期経営計画の戦略「グローバルデジタルオファリングの拡充」に基づき、グローバル横断でCoE(注)の拡充に取り組んでおり、その一環としてAI CoEを2019年5月に設立しました。AI CoEは、グローバルでのAIに関する知識の集約、トレーニング、技術支援、アセット(知的資産)提供等の機能により、グローバル横断でデジタルビジネス拡大を支援するための拠点です。今回のAI CoEの設立により、CoEはBlockchain、Digital Design、DevOps、AIの4分野となりました。
また、当社は、人間とAIが共生する「より豊かで調和のとれた社会」(以下、AI社会)の実現に貢献するための取り組み姿勢をまとめた「NTTデータグループAI指針」を策定しました。本指針に基づき、AIを単なる効率性確保の手段として利用するのではなく、お客様を含めたすべての関係者がAIのメリットを享受できるAI社会の実現をめざし、AIの研究、開発、運用、利活用等を推進していきます。

<産学連携により、医療分野のAI画像診断の取り組みを推進>

患者の医療画像をAI技術で分析し、疾患の可能性がある箇所を示すことで医師の診断をサポートするAI画像診断支援ソリューションを展開しました。

 当社及び国立大学法人宮崎大学は、AI画像診断支援ソリューションで腎臓のあらゆる異常の検出を行う実証実験を2019年8月に実施しました。本実証実験の結果、人種や生活習慣の異なる複数カ国の患者に本ソリューションが適用できることが確認され、特に癌の検出に関しては高い検出精度を持つことが確認されました。

 当社及びメッドサポートシステムズ㈱は、脳MRI撮影画像診断領域におけるAI画像診断支援ソリューションの商用利用に向けた実証実験を2019年11月に開始しました。本実証実験では、メッドサポートシステムズ㈱の画像診断情報システムのノウハウと当社のAI技術を用いて、脳MRI撮影画像に対するAI診断支援エンジンとAI診断支援実証用ビューアを開発し、その有用性を評価しました。


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2020/06/17 12:00:00 +0900
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