車が社会のセンサーとなり収集したビッグデータを活用することによって、交通事故の削減、渋滞の解消といった社会が直面している様々な課題の解決や、新たなモビリティサービスの提供が期待されています。その実現に向けては、車からデータを収集・蓄積・分析し、リアルタイムに車へ配信する仕組み(コネクティッドカーICT基盤)が必要となります。
2017年からNTTグループは、トヨタ自動車とコネクティッドカーICT基盤の実現に向けた共同研究を行っており、その中でNTTデータは、主にデータ収集・蓄積・分析基盤に関する技術開発を進めています。
障害物検知に関する共同実証実験
車載カメラの撮影データを用いて障害物を検知し、影響を受ける車両へ通知する「障害物検知」の実現に向けた実証実験を行っています。
実現へのポイントは、膨大なデータを効率的に処理し、リアルタイムに周囲の車両に通知できる仕組みの確立です。
後続車がスムーズに障害物を避けるためには、前を走る車が危険を検知してから、10秒にも満たない時間で後続車に通知をする必要があります。2020年度の10秒未満での通知実現をめざし、引き続き実用化に向けた取り組みを行っていきます。
トヨタ自動車とは障害物検知の取り組みだけでなく、車載カメラの撮影データを活用した地図の自動生成や数千万台規模の車両データを分析できる基盤の確立等の共同研究を行っており、当社は引き続き実運用に向けた更なる課題の解決に取り組んでいきます。
今後も先進技術を活用し、人々の暮らしを豊かにするようなサービスのための基盤整備をお客様とともに進めることで、NTTデータならではの社会貢献をめざすとともに、今後も市場規模の拡大が予想されているコネクティッドカー市場でのビジネス拡大をめざします。
当社は「グローバル全社員の力を高めた組織力の最大化」を中期経営計画の戦略の1つとしており、社員のプロフェッショナリティ最大化のために、多様な人財像に合わせた制度や成長機会の整備を進めています。
専門性人財制度の設計
多様な専門的スキルを有する社内人財の潜在能力を最大限に活かすことを目的として、専門性による貢献の大きさで報酬が決まるTG( Technical Grade)社員制度を2019年10月に創設しました。加えて、社員の自律的なキャリア形成を支援する当社独自の人財育成プログラム「プロフェッショナルCDP(Career Development Program)」の改定も行い、「データサイエンティスト」、「ビジネスディベロッパ」というデジタルビジネスにおいて求められる専門性に対応する人財タイプを追加しました。
また、卓越した専門性を有する人財を外部から雇用することを目的として2018年度に創設したADP(Advanced Professional)制度においては、2019年度に5名、2020年度にも2名のADP社員が誕生しています(2020年4月現在)。
セルフイノベーションタイムの新設
2019年度からの新しい取り組みとして、業務時間の一部をDigital & Globalに向けたスキル強化、デジタルを活用した働き方変革、全社/他組織とのナレッジ共有等のイノベーション領域に充てるセルフイノベーションタイムをスタートさせました。
2019年度実績 1人当たり 59時間
NTTデータのプロフェッショナル人財資本と外部評価
■ 最先端技術(AI、Blockchain、IoT等)を用いてお客様のデジタルトランスフォーメーションを実現する体制の強化のため、4つのCoE(最先端技術の知見を集約する拠点)が活動しています。当社は2021年度末までに、CoEの活動を通じてこれら4分野についてグローバルで約5,000名の人財育成をめざしています。
・Blockchain (24カ国 約300名)
・Digital Design(10カ国 約550名)
・DevOps(8カ国 約300名)
・AI(8カ国 約800名)
*国、人数は2019年度末時点の情報。
■ 高い外部評価 ~複数の外部評価機関より「Leader」評価を獲得~
Blockchain・Avasant: Blockchain Services RadarView 2019
Blockchain・Everest Group: Enterprise Blockchain Services PEAK Matrix Assessment 2020
loT・NelsonHall: NEAT Report for IoT in Digital Transformation 2019*
*製造、小売り、サプライチェーンの3分野において獲得。