第19期定時株主総会招集ご通知 証券コード : 8306

第4号議案
定款の一部変更の件(顧客の気候変動移行計画に関する評価)

1.提案内容

 以下の条項を、当会社の定款に追加的に規定する。

 第 章 気候変動関連リスク管理
 第 条 移行計画(顧客の気候変動移行計画に関する評価)

 当会社の気候変動への公約および気候変動リスク管理戦略を踏まえ、当会社は次の情報開示を行う。

 1. 化石燃料セクターにおける顧客の気候変動移行計画とパリ協定1.5℃目標との整合性について、当会社がどのように評価を行うか。
 2. 当該セクター顧客がパリ協定に沿った信頼性のある移行計画を作成しなかった場合の対応措置(新規資金提供の制限を含む)。

2.提案理由

 本提案は、当社が顧客の脱炭素移行を支援することにより、当社が気候変動関連リスクを適切に管理していることを株主が判断する上で必要な情報開示を求めるものである。
 当社は「最大のゴールである2050年ネットゼロ、1.5度目標の達成」を公約し、気候変動リスクを「トップリスク」と認識している。また、高排出セクター顧客の移行状況を「1.5℃整合の中間目標、ガバナンス、排出実績」等につき評価を行うとしている。
 一方、当社は、パリ協定1.5℃目標と整合する信頼性のある移行計画を有していない化石燃料セクターの顧客に対し、多額の資金支援を継続している。
 本提案が求める開示は、当社が表明しているリスク管理措置を適切に実施し、2050年までのポートフォリオ排出量実質ゼロ公約と整合させるために不可欠である。
 これら開示は投資家(TPI等)の期待に合致し、当社の長期的な企業価値の維持向上に資するものである。

気候変動移行計画の信頼性を判断するための基準には、以下が含まれるが、これらに限定されるものではない。
 ● 短期、中期、長期のスコープ1、2、3の排出削減目標
 ● これらの目標に沿った戦略(資本支出計画を含む)
 ● 排出オフセットやネガティブ・エミッション技術に過度に依存していないこと
「新規資金提供」とは、顧客に対する新規の企業融資、プロジェクト・ファイナンス及びトレード・ファイナンスの提供(これらのリファイナンスを含む。)、及び顧客に対する資本市場取引のアレンジ又は引受をいう。

〔(会社注)以上は、株主から提出された書面に記載された提案内容を原文のまま記載しております。提案理由については、当社株式取扱規則38条に則り、一部脚注を省略しております。〕

3.取締役会の意見

本議案に反対いたします。

 当社は、2021年のカーボンニュートラル宣言以降、気候変動対応に関する戦略や取り組みを加速させ、その進捗を継続的に開示してきました。2024年4月に公表したMUFG Climate Report 2024では、本議案で開示を求められている、パリ協定1.5℃目標との整合性を含むお客さまの移行状況の評価や、お客さまが信頼性のある移行計画を作成しなかった場合の対応措置等を体系的にまとめた「実効性を高める管理の枠組み」について、情報開示を行っています。

 一方で、会社の定款は、商号、目的、機関、発行可能株式総数等、会社法に従って会社を運営する上での基本的な事項を定めるものです。
 経営戦略の策定にかかる個別的な方針、気候変動問題等の特定の経営課題への対応等を定款に定めることは、方針の機動的な変更及びその速やかな実行の制約となる虞もあり適切ではありません。
 加えて、多岐にわたる経営課題を有する当社にとって、気候変動関連にのみ焦点を当てた内容を定款に組み入れることは、安定した金融決済機能の提供や少子高齢化等の社会課題対応等を含む、当社の経営戦略の全体的なバランスを損ね、その効果的な実行に制約を加え、ひいては会社の企業価値の毀損に繋がる虞もあります。

【実効性を高める管理の枠組み】
 1.お客さまの移行計画とパリ協定1.5℃目標との整合性は、トランジション評価フレームワークで確認しています。具体的には、お客さまが取得する第三者機関の認証等を含む公開情報、及び、お客さまとのエンゲージメントを通じて得た、より詳細な計画や、それを支える主要技術等の非公開情報も踏まえ、お客さまの移行状況を6分類で評価しています。

 2.お客さまがパリ協定に沿った信頼性のある計画を作成しなかった場合には、エンゲージメントを通じて、地域・事業特性の違いなどを踏まえた戦略策定を支援します。ただし、一定期間のエンゲージメントを経ても移行に向けた具体的なプランや方向性を確認できない特定の取引先については、条件や方針の見直しを検討するエスカレーション・プロセスを導入しています。

 従って、定款に本議案のような規定を設ける必要はないと考えます。

第3号議案・第4号議案【ご参考】
カーボンニュートラル実現に向けた当社の取り組みにつきましては以下の当社HPもご覧ください。

①「MUFG Climate Report 2024」
GFANZガイダンスに沿った移行計画の内容に加え、MUFGの脱炭素に向けた幅広い取り組みの進捗や実績、そのベースとなる考え方を紹介しております。
https://www.mufg.jp/dam/csr/report/progress/climate2024_ja.pdf


②「MUFG サステナビリティレポート2023」
持続可能な環境・社会の実現と持続的成長に向けたMUFGのサステナビリティの取り組みについて、方針や体制・施策を中心に、直近の取り組みをまとめています。
https://www.mufg.jp/dam/csr/report/2023/sr2023_ja.pdf


その他、各種セミナー資料につきましては以下の当社HPをご覧ください。
https://www.mufg.jp/ir/presentation/index.html


以 上

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2024/06/27 12:00:00 +0900
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