1.議案の要領
スルガ銀行社員が講師として行うコンプライアンスの外部研修や学生向け金融教育は、業務改善命令が解除されるまで行えないものとすることを定款に定める。
2.提案の理由
業務改善命令の元となった第三者委員会の調査において、当銀行内で売上至上主義、ノルマの強要などパワーハラスメントの恒常化が報告されている。その結果、本来は融資してはいけない案件に書類を改ざんするなどして融資審査を通し、無理な貸付を繰り返し、多くの被害者を生み出した。さらに、金融庁から業務改善命令が4年半以上経過した今も、解除されていない状況にも関わらず、昨年、顧客預金の着服事件を起こすなど、コンプライアンスが遵守されているとは到底言えない。そのような中で未来を担う学生に対して金融教育を行っていることは、道理にかなわない。当銀行は上記の不祥事を反省し、業務改善命令の解除を得たあと、外部研修や金融教育を行う資格があるというべきである。
また、不正融資被害者には自殺者まで出ており、金融事業がいかに人の人生に大きな影響を与えているのかを正しく理解し、早期に不正融資の被害回復に努めなければならない。
【当社取締役会の意見】
反対:当社取締役会としては、以下の理由から本議案に 反対 いたします。
当社が行っている金融教育は、「あってよかった、出会えてよかった、と思われる存在でありたい。」という当社の企業理念に端を発する活動であり、また、社会貢献活動の一環でもあります。当社としては、地域社会にできる限り貢献してまいりたいと考えており、そのような活動を定款で禁止することは適当でないと考えております。